2月議会の質問 生活保護問題と高齢者の問題 質問と答弁をアップします。

京都府議会 2月定例会 一般質問2013年2月27日

山内よし子 (日本共産党 京都市南区)

生活保護制度における基準引き下げや人権侵害等をやめさせるよう、国に強く求めよ

【山内】日本共産党の山内よし子です。通告に基づいて、知事ならびに理事者に質問します。

最初に生活保護についてです。先日知事は生活保護基準の引き下げについて馬場議員の質問に対して国が責任を持ってナショナルミニマムとしての生活を保障すべきであること、また慎重な見直しをするよう求めていると答えられました。現在70歳以上の1人暮らしの方の生活保護基準は住宅扶助を除くと京都市内で約77,000円、町村部なら60,000円ほどで、しかも預貯金などもなくなってからの保護受給なのでぎりぎりの生活です。知事はこの金額について高すぎるとお思いですか。これ以下に引き下げて人間らしい生活が送れるとお思いですか。お答えください。

政府は生活保護については基準を引き下げるだけでなく、保護制度の改悪にも踏み出そうとしています。とりわけ就労指導を強化し、稼動年齢層を生活保護から締め出そうとしていることは重大です。

生活保護受給者にしめる「稼動年齢層」は17%に達しているとのことですが、こうした方々の中には障害者手帳は取得していなくても身体疾患や精神疾患、発達障害などを抱えている人も含まれており、さらに半数以上は50代から60代です。しかも京都府の有効求人倍率は昨年11月で0.8、正社員ではわずか0.58倍ですからそもそも雇用の空きがありません。

私どもが行ったハローワーク前の調査には生活保護を受給しながら求職活動をされている方々も何人かおられました。40代の独身男性は、7年間、長時間拘束の不規則な勤務につき、身体を壊して退職。治療中のためなかなか仕事に就けないと語ってくださいました。

 就労支援についてはあくまでも働く権利を保障する観点からの支援が必要であり、「期限を切った集中的な就労支援」を行うなど、保護受給者を追い込むような方法はとるべきではないと考えますがいかがですか。

また中間的就労の推進などについても議論されていますが、そこで社会的な居場所ができたり、働く喜びを感じることができるようになることは必要ですが、昨年9月に示された国の「生活支援戦略に関する主な論」、(案)は「低額・短時間であってもまず就労すること」と月5万円程度の収入をイメージして厳しい就労指導を行うとしています。低額短時間でもまず就労、と厳しい就労指導をしながらその一方で労働基準法の適用を受けない「中間的就労の場」を広げていけば、実態は雇用に近い形であっても、訓練や居場所、ボランティアの名目などで、実質的な労働を最低賃金以下で担わされる危険性があり、日本の雇用と労働の質の底まで抜けてしまうのではありませんか。知事の認識を伺います。

次に現に起きている申請権の侵害について伺います。

厚生労働省は1981年に暴力団の不正受給を防ぐという名目で、123号通知という課長通知を出しましたが、真の狙いは戦後の福祉国家を解体し、社会保障を抑制するために、当時増えつつあった生活保護をむりやり減少させることでした。申請時に白紙委任状を提出させ、金融機関や扶養義務者の調査を歯止めなく強化した結果、全国各地で「水際作戦」といわれる、申請にいたる前段階での追い払いが日常化し犠牲者が相次いだのです。

こうした中で被害者や遺族が裁判に訴えて次々と勝利し、当事者も含めた運動の中で、国も2006年に「申請権を侵害しないことはいうまでもなく、侵害していると疑われるような行為自体も現に慎むべきものである」とする手引きを出さざるを得なくなりました。

しかしその手引は「生活保護行政適正化の手引き」であり、その中には「調査指導の徹底」「指導指示から保護廃止へ至る手順マニュアル」など、いかにして生活保護を切り捨てるのかが示されています。法律自体は変わっていないのですが、運用によって保護の切り捨てが求められてきたのです。

舞鶴市の申請権を侵害する対応について、保護の開始時期を遡及するよう求めよ

 こうした中で、京都ではこの間宇治市や舞鶴市、など府内の福祉事務所で重大な生活保護の申請権の侵害が相次いで起こったのです。

50代のYさんは、8年前にC型肝炎に感染していることがわかり、病気と闘いながら働いていましたが、病状が悪化して2011年6月に会社を退職。雇用保険が切れてから1日2~3時間のアルバイトで生活をつないでいましたが生活に困窮し、昨年4月9日に「生活保護をお願いします」と福祉事務所にいかれました。しかし舞鶴市は、就労指導をして追い返し、その後「非代謝性C型肝硬変・食道静脈瘤により自宅療養と内服による継続的治療が必要」との医師の診断書も持って3回福祉事務所に行きましたが、そのたびに1時間でも2時間でも働けと言われ、申請用紙は交付されませんでした。5回目の昨年6月21日にやっと申請用紙が交付され、その日から保護が開始されましたが、この間病院の受診もできず、薬の服用も出来なかったのです。侵害された申請権と健康被害は回復していません。

Yさんは昨年8月に、保護申請の意思を最初に示した4月9日に申請日をさかのぼるよう求めて、京都府に審査請求を提出しましたが、今年1月22日に知事は請求を棄却されました。

私は先日Yさんにお会いしてお話を伺って来ました。Yさんは「働けといわれるばかりで、少しでも仕事をすることが生活保護を受ける条件なのかと思った。いくら仕事を探しても、腹水のたまった状況で雇ってくれるところなどなかった」とおっしゃいました。

 支援団体からの要請などに基づき、本府はこの間舞鶴市などに特別監査に入り、Yさんの件について「法制度に根拠のない対応を行い、重ねて申請権を侵害する対応」と厳しく指摘していますが、それならば、本来4月9日に口頭での申請があったと考えるべきですがいかがですか。また保護の開始時期について、当初の申請意志を示した4月9日に遡及するよう舞鶴市にもとめるべきではありませんか。

 Yさんのこうむった被害は保護の入り口での権利侵害であり、患者団体が連絡を取らなければ最悪の事態を招いていた可能性もあったのです。こうした事態を二度と起こしてはならないのです。

私は2011年の12月の委員会で、「生活保護を受給する稼動年齢層を中心に3年間で5000人を目標として個々に応じた自立を実現できるようにする」とした本府の数値目標について、こうした目標をたてることそのものが府内の市町村で申請権の侵害を生み出すことになると指摘してきました。京都生活就労一体型支援研究会の審議の中でも数値目標について懸念が示され、「外していただきたい」との委員の意見も出されていたものです。改めて本府の3年間で5000人という自立目標については撤回すべきです。いかがですか。

また本気で生活保護における人権侵害や申請権の侵害をやめさせようと思うのならば、国に対して123号通知を廃止し、生活保護行政の適正化の手引きについても、抜本的に改善するよう強く求めるべきと考えますがいかがですか。

 

【知事】ご質問にお答えします。生活保護の基準についてでありますが、これは現在国においても、客観的な検証の元、基準の見直しに努められているところです。それはこの制度自身が、国が責任をもって生活保障すべきものであり、ナショナルミニマムと言う問題であるからであります。ですから京都府としましては、今回の見直しに当たりましても、財政的観点だけでなく、国民最後のセーフティーネットとしての役割を果たすことができるものとなるよう、慎重な見直しを国に対して繰り返し要請しているところであります。

生活保護受給者の就労支援につきましては、働きたい、働けるのに仕事がない、と言う方がたを、これを就労に結び付けてゆくことは、これは本人にとっても、また私たち社会にとっても大変重要なことであると考えています。

国の制度見直しは、まさにこうした受給者が、主体的に就労活動に取り組む場合を前提に、より積極的な支援ができるようにするものでありますので、京都府と致しても、更にインセンティブを強化するなどの必要な制度改善を国に求めてまいりたいと考えております。

中間就労につきましては、直ちに就労が困難な方が、必要な支援のもとに、仕事や社会に少しずつ慣れてもらう、こうした取り組みが、現実的には今必要になっているところです。議員がおっしゃっているような安価な労働力を生み出すための制度ではございません。京都府ではこれまでから、民間企業と受給者が雇用契約を結び、きちんと賃金を得ながら働くことへの自信を取り戻す、ジョブトライ事業を実施するとともに、国に対して、一般就労に至るまでの受け皿として、中間的就労の仕組みを制度化するよう、要望してきたところです。

現在国の生活困窮者等の就労支援に関する検討会の場において、中間的就労に関わるガイドラインの策定の作業が進められておりますが、京都府としましても、適切かつ実効が上がる中間的就労となるよう、国に強く働きかけてまいりたいと考えております。

【健康福祉部長】生活保護についてでありますが、生活保護の審査請求の件については、生活保護法に照らし、違法又は不当な点がないか、慎重に審査を行い、裁決したものであります。

また、京都生活就労一体型支援政策研究会の提言を踏まえて掲げた5000人の目標につきましては、生活保護受給者等が抱える課題に応じて、一般社会とのつながりをとりもどす生活支援から就労支援に至るまで、幅広く支援してゆくために設定したものであります。

京都府としましては、京都就労自立サポートセンターを設置し、社会的な居場所づくりや、就労体験、ジョブトライ事業など個人の状態に応じて、きめ細やかな支援を行い、2年足らずで約3000人の方々を支援して参りましたが、今後とも目標達成に向けて、全力でとりくんで参りたいと考えています。

生活保護制度の適正化については、不正受給などの問題事例には、厳正に対処すると同時に、本当に生活保護が必要な方が受けられないと言ったことがないよう、引き続き適正な運用に努めてまいります。

【山内・再質問】生活保護基準引き下げの問題ですが、すでに国は予算案をしめして、引き下げの基準も示されています。府民生活にも非常に大きな影響を与える基準引き下げの問題ですから、明快に御答弁いただきたいと思います。子ども2人いる世帯で2万円もの保護費が削減されることも示されていますが、これでナショナルミニマムとしての役割を果たせると考えておられるのか。 もう一度ご答弁を。

もう一点は舞鶴の問題ですが、審査請求のことは何も聞いてないですよ。生活保護の申請の拒否事

案について、これまで京都府は特別監査を実施して、いろいろ指摘してきました。そこについて生活保護の申請が、4月9日に口頭であったと考えるべきと思うがどうなのか、そうであれば舞鶴市に対して、保護の開始日を遡及すべきだ、求めるべきではないかという質問ですから、もう一度ご答弁を。

【知事・再答弁】生活扶助の基準につきましては、これは総合的にきちんと調査をして決めるべきものでありまして、食事や什器費、水道・光熱費といった日常生活費の水準を含めて、しっかりした第三者委員会が検討して決めるべきものでして、知事が個人的にこれは高いとか低いとか言って考えるものではありません。これはそういったシステムになってしまえば、まさに独裁ですから、それは、私はおかしいと思います。ですから社会保障審議会の生活保護基準部会において第三者的な専門家の皆さんがしっかりと検討して、それに対して私たちは、慎重に審議していただきたいということを申し上げているわけです。

【健康福祉部長】舞鶴の審査請求の件につきましては、先ほどお答えしました通り、法に照らしまして、慎重に審査を行い適切に採決したものであります。

【山内・再質問】国の部会では基準を引き下げるという議論は全くなかったんです、極めて政治的な判断で生活保護の基準の引き下げが出てきたわけですから、知事としてはしっかりと意見を言っていただきたい。

あと、部長の答弁ですが、申請権侵害の問題ですが、私は通告でそんな通告はしていないですよ、審査請求については一切言ってないです。申請権の侵害について、舞鶴市はきちんと遡及するように、保護の申請日を遡及するように求めるべきと言っているんですよ。なぜお答えしないのですか。もう一度お答えください。

【健康福祉部長】舞鶴等につきましては、京都府に審査請求をいただいており、私どもは京都府と

して慎重に審査を行い、適切に採決したものであります。

 *「議長、議事進行」と加味根議員。

【加味根議員】ただ今の件ですが、山内議員は事前に質問通告によって答弁を求めているものです。

その質問にまったく答えないというのは異常ではありませんか。明確に答えていただきたいと思います。

【健康福祉部長】山内議員のご質問ですが、私どもは、申請者が提出された生活保護の開始時期に関わり、審査請求を京都府は拒否しているが、生活保護の意思を最初に示した4月9日に生活保護の申請があったと考えるべきであるというご質問ですから、私どもは審査請求を踏まえまして、慎重に審査した結果、適切に採決したものであります。

【山内・指摘】きちんと本当に答弁していただきたいと思います。申請権侵害の問題ですが、次々と起こるわけです。京都府がいろいろ監査に入ったり、指導に入ったりしても次々起こる、これ申請権の侵害を本気でなくそうと思っているのか。と指摘をしたいと思います。時間の問題もありますので、次の質問に移ります。

 

 

 

京都府の高齢者の介護保障と地域包括ケアは、給付費の抑制や施設から在宅へという国の改悪の流れに沿ったもの

【山内】さて国は生活保護の改悪を突破口にして、そのあと医療や介護の大改悪を狙っています。そこで次に高齢者の介護保障と地域包括ケアについて伺います。

これまで知事は、国の地域包括ケアは給付費の抑制だが京都はぜんぜん違うとおっしゃってきました。しかし本府の地域包括ケア構築の必要性を示す問題意識は厚労省の問題意識と同じです。

2025年には団塊の世代が後期高齢者になるために、在宅療養を支える資源の整備を急ぎ、医療・介護・福祉の連携体制を作るとしています。そしてその中身は施設から在宅へという国の流れに沿ったものになっているのではないでしょうか。

 本府の地域包括ケアの目玉としておられる、在宅療養あんしん病院登録システムは、在宅療養中の高齢者が体調を崩して在宅での対応が困難になったっときに、事前に病院に登録しておいて、スムーズに入院し、1週間程度で退院するというシステムです。しかしこれまで地域の開業医や診療所はすでに在宅療養を支え、病院とネットワークを構築し営々と努力をされてきたのです。しかも登録していてもベッドが空いていなければ入院できないのは当初からわかっていることです。私どもは何件かの登録病院に話をお聞きましたが「日常的にベッドは満床で、登録していただいたからといって、入院できるわけではない」との声も寄せられました。

昨年の4月からこのシステムが稼動していますが、地域包括ケア推進機構に伺いますと、昨年10月時点の登録者は約3000人で、そのうち400人が入院をされたとのことですが、この制度を利用しての入院かどうかは把握ができないとのことです。また、登録は3病院まで可能ですが、どこも満床であれば一体誰が責任を持って調整するのでしょうか。「登録すればすぐに入院できる」といいながら、結果として施設から在宅へと高齢者・病人を病院から追い出す出口としての仕組みを構築し、調整するのは医療機関や地域包括支援センターなどで、現場に責任と負担をおしつけるものではありませんか。お答えください。

国は医療だけでなく「できるだけ在宅で過ごしたい」というアンケート結果を利用し介護における施設整備も抑制しています。知事も昨年12月議会でわが党の西脇議員の質問に「在宅サービスの充実」を強調されました。しかし厚生労働省の考える在宅とは「住み慣れた自宅」ではありません。厚生労働省の委託を受けて2010年3月にまとめられた三菱UFJリサーチ&コンサルティングの地域包括ケア研究会の報告書では、2025年の高齢者の福祉サービス体制について、特養等の施設整備を抑制し、「高齢者向け住宅などを整備して必要かつ適切なケアを効率的に組み合わせて、サービスが外付けで提供される」イメージを示しています。要は、介護の必要な高齢者をワンルームマンションなどに集めて、そこで効率的に介護サービスを提供するというものです。ここには高齢者の生活保障や介護保障・住まいの保障といった概念はまったくありません。

そこでの高齢者向け住宅の中心は、サービス付き高齢者向け住宅ですが、京都市内のサービス付き高齢者向け住宅を調べてみますと、家賃と共益費で10万円をこえるのが一般的で、さらに安否確認などは1カ月3万円、食事の提供は4万円、介護サービスを利用するとさらに負担が生じるもので、資産や所得がないと入居できません。

 また施設も、さまざまな施設体系が作られてきましたが、負担が高くて利用できない人が多いのです。在宅も施設も高額の費用を負担できる人だけがサービスの提供を受けられるのです。昨年の決算委員会で、本府は特養の待機者6000人、京都市を除くと3080人のうち「特に入所が必要と思われる方が1400人」として、特養の申込者を線引きし、施設整備に真正面から向き合う姿勢を示されませんでした。

 一人暮らしで要介護5の寝たきりの方でも施設に入所できていません。しかし1日4回、30分ヘルパーが援助に入れば、それで介護保険の限度額はいっぱいになってしまうのです。 在宅・在宅と叫ばれながら在宅サービスも生活援助のヘルパーさんの時間短縮などで後退しています。これまでも何度も指摘しましたが在宅ではムリだからこそ、介護疲れによる殺人事件も後を絶たないのです。改めて特養の整備については待機者を線引きせず、市町村と協力して施設整備の努力をすべきです。いかがですか、お答えください。

現場への責任と負担の押し付けでなくしっかりとした恒久的な財源措置を

 また高齢者の在宅生活を支える要になるのが地域包括支援センターですが、そこでもすべて現場に負担がおしつけられ、大きな矛盾を抱えているのです。私はこの間何箇所かの地域包括支援センターを訪問し、お話を伺ってきました。「介護プランの作成で精一杯」「困難ケースが1件あれば丸1日その対応におわれる。」「ごみ屋敷などの苦情も寄せられ、時間がかかる」「休みも取れず、達成感も感じられない」など、本来自治体が担うべき高齢者福祉の責任を負わされ、しかも安い値段で委託されて現場からは悲鳴があがっています。地域包括支援センターの専門職員は自らを犠牲にしてがんばっていますが、この間民間委託の地域包括で少なくない職員が退職に追い込まれているのです。

  本府は国の基金を利用して地域包括支援センターの機能強化費として23年度、24年度とそれぞれ予算を組み、センターに介護予防のマネージメントを担当する保健師等の専門職を配置するとしました。しかし緊急雇用対策の基金なので2年継続して雇用することはできません。しかも保健師さんは一人も配置されていません。

ある地域包括支援センターはこの予算を使って事務職1名を雇用されましたが、翌年度も継続されるかどうかわからない中で、人を増やして手をひろげれば、引き上げられたときに対応できないと半年で雇用を打ちきられたとのことでした。またとにかく大変なのでこのお金を使って雇用したが、利用者さんとの信頼関係があるので継続してきてほしいと思うがそういう使い方ができないという声も寄せられ、根本的な問題の解決にはなっていないことが明らかになっています。

京都府として府内の地域包括支援センターの実態を把握し、国に対してしっかりとした人員を配置できるように、恒久的な財政措置を行うよう求めるべきと考えますがいかがですか。

また本府として地域包括支援センターでこれまで雇用してこられた方々を、来年度以降も継続して雇用できるよう、支援すべきと考えますがいかがですか。

 またこれまで保健所や福祉事務所が、住民の生命と健康を守る中核として大きな役割を果たしていました。

ところがこの間、保健所が担ってきた高齢者の見守り機能や健康管理業務が次々と市町村や保険者に移管され、さらに介護保険制度が始まり、多くの自治体が高齢者福祉の業務を民間委託された地域包括支援センターに移管したのです。自治体の相談窓口の最前線で働いてきた保健師や医療専門職員も削減され、公的役割と責任が後退したのです。京都市が行った地域包括支援センターに行ったアンケート調査の中でも、「市の職員が直接支援する体制が必要」「福祉事務所の職員体制を厚くして巡回してほしい」などの声が寄せられています。

京都式地域包括ケアで示されているように、高齢者が中学校区ごとの日常生活圏域で介護や医療が必要になっても安心して暮らせるようにするためには、保健所や福祉事務所が公的機関として果たしてきた本来の役割を取り戻し、圏域ごとに介護や医療・福祉を必要とするすべての住民の要求を汲み取って制度利用につなげることのできる、専門性と権限をもった専門職を公務員として配置する必要があると考えますがいかがですか。

【健康福祉部長】介護保険と地域包括ケアについてでありますが、在宅療養あんしん病院登録システムは、在宅で療養される高齢者の視点にたって、医療福祉介護の各サービスを縦割りではなく、包括的計画的に支援を行う、京都式地域包括ケアシステムの基盤です。高齢者がいざという時に、速やかに入院でき、また、退院する際にもスムーズに在宅への復帰が可能となるよう、在宅療養中のご本人やご家族、また関係者の負担を軽減するなど、大変高い評価をいただいております。

京都府といたしましては、今後とも本登録システムの一層の充実を図るとともに、更なる制度の充実に努めてまいりたいと考えております。

特別養護老人ホームの整備につきましては、これまでから高齢者の方々の状態や意向を充分考慮し、市町村とも連携して、高齢者健康福祉計画にそって着実に整備してきたところであります。今後とも特別養護老人ホームの整備と併せて、認知症、グループホームなどの地域密着型施設につきましても、市町村と一緒に整備を進めるなど、高齢者のみなさまのニーズにしっかりと応えてまいりたいと考えております。

また、介護マネージメントを担う専門職の配置についてですが、今年度の緊急雇用対策基金を活用しまして41人の社会福祉士等の専門職等が配置されておりますが、本来は恒久的なものと考えており、必要な財源確保について、引き続き国に強く働きかけますとともに、当面は基金を活用して支援して参りたいと考えております。

高齢者がすみなれた日常生活圏域で、安心して暮らしてゆくためには、地域包括支援センターの機能強化が不可欠であり、そのため京都府では地域包括支援センターにおける、高齢者の総合相談窓口の強化や認知症対応力の向上、又関係機関のネットワーク化等の機能の機能強化等、必要な体制の整備が図られるよう、国に強く働きかけてまいりたいと考えております。

【山内・再質問】一点、再質問します。在宅療養あんしん病院についてですが、肺炎の疑いがある、あるいは脱水症の疑いがあるということで、少し入院をして検査をしてもらう、1週間程度で退院をする、そういうシステムだと思うんですが、実際に入院できないような場合は、一体最終的にどこが調整して、どこが責任を持つんですか。ここの答弁をお願いします。

【健康福祉部長】在宅療養あんしん登録システムについてお尋ねの件ですが、そういったご相談につきましては、京都府の地域包括ケア推進機構の方にご質問していただけましたら、職員がおりますので適切に対応していただける、いただきたいと思います。

国と自治体の公的役割と責任を果たすことこそ求められている

【山内・指摘】どこが最終的に責任を負うのかというのは不明瞭なわけで。在宅療養あんしん病院にしても、地域包括支援センターにしても、責任の所在がどこにあるのかと言うことが非常に不明瞭なわけですよね。包括支援センターの保健師さんは、在宅療養安心病院について「また地域包括支援センターが、私たちの知らない間に、概念図の中に勝手に位置づけられている。また仕事が増えるんじゃないか」ということを語っておられまして、「もうこれ以上仕事が増えてもできない」と悲鳴が上がっているのです。やはり、国の政策も非常に問題があると思いますが、国の公的責任を「公助」として自助・共助・互助の下に位置づけるのではなく、高齢者の介護保障について国と自治体の公的役割、公的責任をしっかり果たすということが求められている。このことを申し上げて私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。